保育士試験で難関科目と言われているのが、「ニコイチ」と呼ばれる教育原理と社会的養護と子どもの食と栄養です。
保育士試験のサイトを見ると、この二つがネックになり、受験者泣かせの科目です。
ニコイチは、科目合格の保育士試験なのに、両方まとめて30点以上でないと不合格に。
子どもの食と栄養は、管理栄養士試験ですら出ないと言われるような難問を出してくることがあり、保育士試験なのにそこまで知識が必要なのかと疑問視されています。
私が受験して不合格だった平成26年の問題を例にして、覚えずに解ける方法と覚えないとダメだったものについて解説します。
令和2年(前期)保育士試験科目別リベンジセット子どもの食と栄養(PDF版)
知っているものは対策しない
例えば以下の問題は、育児を経験した人であればすでに解けると思います。
平成26年度
問7 次の文は、「授乳・離乳の支援ガイド」(平成19年:厚生労働省)に示されている離乳食の進め方の目安に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 離乳の開始では、つぶしがゆから始める。
B 生後5、6か月頃の〈食事の目安〉調理形態は、「舌でつぶせる固さ」である。
C 生後5、6か月頃の〈食べ方の目安〉のひとつに、「いろいろな味や舌ざわりを楽しめるように食品の種類を増やしていく。」が示されている。
D 生後12か月から18か月頃の〈食事の目安〉調理形態は、「歯で噛める固さ」である。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ ○ ○
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ×
4 × ○ ○ ×
5 × ○ × ○
ちょっと迷うと思いますが、ざっくり選択肢を読むと、明らかに「これおかしい!」っていうのがあるんですよね。
選択肢Cです。
Bの固さはまず置いておきます。
だいたい5、6カ月から離乳食を始めましょうと育児本でも紹介されているのを見たことがあると思います。
BとCは時期が同じなんですけど、Bで舌でつぶせる固さとしているのに、Cはなぜこの時期に食品の種類を増やす必要があるのか?となりませんか。
そうなんです。Cの食品の種類を増やすというのが間違っているんです。
これで選択肢が絞られますよね。3か5しか正解ではありません。
さて、ここで絞ったらちょっと悩むと思います。
そして、最初に取り上げた選択肢Bですが、これも離乳食の始めの時期なので、まず母乳やミルク以外のものを飲み込む練習がメインです。
噛むのは飲めるようになってから。そうなるとBも怪しいですよね。
では、Aはどうでしょう。
スープとか重湯とかを育児本で見かけたことがあると悩みます。
つぶしがゆだと重湯よりも粒があるのではと。
さて、ここで悩みます。
AとBは離乳食初期のお話です。(Cもですね)
すでにCは答えが出たので、AとBに注目すると、どちらも初期なのに選択肢3と5で答えが逆なんです。
同じ話であれば、どちらも〇かどちらも×のはずなのに。
振り出しに戻りました。
最後はDを読みます。
歯で噛める固さというのがポイントなんですが、生後18カ月で生えている歯は多くて8本です。
しかも前歯だけ。
奥歯はありません。そうすると、ちょっと弾力のあるお肉なんかは噛みにくいです。
そうなるとDは間違いなんですよね。
というわけで、読んだだけで正解を3と導くことができます。
選択肢Aはどうなの?となるのですが、もうこれはガイドラインに書かれていますとしか言いようがありませんのでガイドラインを見てください。
他の記述についても書かれているので、ガイドラインを読めばおしまいなのですが、ガイドラインを読まないでも解答は導けます。
ちなみにガイドラインは全79ページあります。
保育士試験には、こういったガイドラインや統計情報などから出題されることがあるのですが、全部読んでいたら時間がありません。
ガイドラインを読まずして問題を解けるので、すでに経験している知っているものは極力見ずに解けるよう力をつけるのがいいです。
知らないと解けない問題は覚えよう
子どもの食と栄養で覚えていないと解けない典型的な問題です。
平成26年度
問4 次の文は、糖質に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。A ブドウ糖(グルコース)は、炭素、酸素、窒素からなる。
B 果糖(フルクトース)は、単糖類の一つである。
C 麦芽糖(マルトース)は、ブドウ糖と果糖が結合した二糖類である。
D ショ糖(スクロース)は、ブドウ糖が多数結合した多糖類である。(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ ○ ○
2 ○ × ○ ×
3 × ○ × ○
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○
私は試験直前に対策本を読んでいたのに、全部頭に入れる前に終わりました。
さっきまで見ていたはずなのに、思い出せずに問題が解けない。
組み合わせを覚えていないと解けないという問題です。
試験で問われるのは単糖類、二糖類、その組み合わせです。
単糖類は3つ。
- グルコース(ブドウ糖)
- フルクトース(果糖)
- ガラクトース
があります。
二糖類は
- マルトース(麦芽糖)=グルコース+グルコース
- シュクロース(ショ糖)=グルコース+フルクトース
- ラクトース(乳糖) =グルコース+ガラクトース
です。
グルコース+別の単糖類で二糖類が決まります。
これがなかなか覚えられませんので、ゴロで覚えます。
「ぐるぐる回る主婦がらく」
呪文のようです。
グルコース+グルコース=マルトース ぐる ぐる ま わる
グルコース+フルクトース=シュクロース しゅ ふ
グルコース+ガラクトース がらく
ややこじつけ感がありますが、カタカナのとひらがなの組み合わせで覚えてしまいます。
もう、この呪文さえ覚えてしまえば、単糖類3つとその組み合わせなしかありません。
選択肢を見てみます。
選択肢Bは果糖が単糖類とありますので、〇です。
選択肢Cはマルトースの組み合わせですから×です。
選択肢Dも×ですね。
さて、答えが出ました。選択肢4が正解ですね。
選択肢Aはどうしたら?ということですが、ブドウ糖が何でできているかをしらなくても、選択肢が絞られたことによって解けます。
ただし、こういうパターンに限りですが。
可能性としては別の問われ方をすることも考えられるので、ここでついでに覚えてしまいます。
Wikipediaの説明ですが、元素記号でC6H12O6とあるので、
炭素、水素、酸素からできていることがわかります。
まとめ
さて、もう覚えていただけたでしょうか?
「ぐるぐる回る主婦がらく」
単糖類と二糖類、その組み合わせ。
もう一度
「ぐるぐる回る主婦がらく」
多分、これで忘れないと思います。
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