スポンサーリンク

2021 舞台 日本の歴史 感想

イベント・エンタメ

日本の歴史を観劇したので、備忘録として感想をまとめます。
なお、内容にネタバレを含みますのでご注意ください。

 

人気の商品が毎日お買得価格で登場!Amazonタイムセール
最安値に挑戦!24時間限定品をチェック!楽天タイムセール

 

スポンサーリンク

日本の歴史 公演概要

シス・カンパニー公演「日本の歴史」

2021年7月6日(火)~18日(日)
東京都 新国立劇場 中劇場

2021年7月23日(金・祝)~30日(金)
大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

作・演出:三谷幸喜
音楽:荻野清子
出演:中井貴一、香取慎吾、新納慎也、瀬戸康史 / シルビア・グラブ、宮澤エマ、秋元才加

 

日本の歴史 あらすじ

主な舞台になるのは、20世紀初頭のアメリカ。テキサス州に移住したシュミット一家の牧場開拓から、一家の末路までを描く。
タイトルに日本の歴史が入っているが、歴史の中で起きたことが普通の一家にも起こりうるという、ミクロの視点をマクロ的に俯瞰するという構図の物語。

「あなたが悩んだことはいつか誰かが悩んだ悩み」という歌にも表れるように歴史上の人物が悩むことと、普通の一家が悩むこと経験することの本質はどこでも同じだということが、物語を通じて常に語りかけられてくる。

シュミット一家

この物語の軸になるのは、アメリカのテキサスへ移住したシュミット一家。この一家の物語が全体の話であり、この一家の物語が悩むこと経験することを日本の歴史を通じてつぶさに見ていくことになります。

テキサス移住後の牧場経営がシュミット一家の主な稼業ですが、この稼業が年が進むごとに回りの人間の成功なども含めて絶頂期から没落へと向かう間に、登場人物の悩みや葛藤などが描かれていきます。

シュミット一家は牧場開拓時代、石油油田の発掘時代、ショービジネス時代という3部構成。
牧場開拓時代では主にシュミット一家の長である母親(シルビア・グラブ)を中心に、土地を持つことにこだわりを持たせて、かつ跡取り問題が中心となり、長男ではなく長女に婿養子を取らせるという形で継承させます。

この牧場時代でシュミット一家は大きな富を築くように見えるのですが、山火事の災難で家計が苦しくなります。

反対に、シュミット家に雇われていたオブライエンの家の次男ジョセフがシュミット家から譲ってもらった土地から油田を掘り当て、一躍その土地の名士に。

シュミット家の長がケガで入院した際には、病院の特別室の代金を払うまでに。
しかし、あることがきっかけでジョセフはメキシコ人に殺されてしまい、一生を終えます。

この時、ジョセフの会社の一従業員であったオブライエン家の三男トーニョは自分の夢を叶えたくてもジョセフに否定されていたこと、ジョセフを刺した犯人がメキシコ人であり、自分と血筋が同じこともあり逃亡を指示。これがきっかけでトーニョもジョセフを見捨てて逃げていきます。

消息不明のままのトーニョはニューヨークでショービジネスの成功を収め、その業界ではトップになります。

しかし、自分がメキシコ人の血が流れていることを隠してきたトーニョに対し、長年の恋人は不満をぶちまけ、この時のシュミット家の長であるパット(オブライエンの長男ノエルの妻)からも、トーニョが出自を偽っていることに対して怒りを見せることで最後には自分の本当の姿をパーティ会場のスピーチで告白。

でも、自分がここまでやってこれたのは、いつも家族で歌っていた歌だと歌って見せ、会場を後にします。

最後は、ノエルとパットの息子、ジュニアの最後の物語。
彼は牧場経営者として期待されるも彼の方向性に合わず、芸術の才能を見出したトーニョの元で活躍していたのですが、第二次世界大戦で出兵。日本兵と向き合うも、戦いたくないと必死に訴えるのですが、彼が得意とする鼻笛を吹いたことで、相手の動揺を誘い打たれて死亡。

ノエルもすでにいなくなり、息子ジュニアを失ったパットは兄が土地を手放したことでもう何もないのだと嘆くのですが。

母親が表れ、あなたが生きている間は続くのだから、エドワード(兄カールの息子)とともに生きるのだと助言されてシュミット一家の話は終わります。

日本の歴史

シュミット一家の物語の間に挟まれる、シュミット一家の悩みとともに描かれる歴史の物語。
主に、それぞれの時代のパートのあらすじです。なお、舞台の内容を表しているので、史実に関しての詳細とは異なる可能性もあります。

時代は卑弥呼から明治時代くらいまで。
歴史の登場人物ですらそのような悩みがあったのかという、思った以上に歴史が近く描かれています。

卑弥呼×卑弥呼の弟

自分(卑弥呼)に邪馬台国を率いてほしいという弟の願いを受け入れられない卑弥呼。だが、弟から大事なことだけやってくれたら後は好きなように生きたらいいと諭される。

藤原仲麻呂

父親も死に叔父も死に、跡目が自分しかいない中で、継ぎたくないと悩むも、開き直って藤原氏を継ぎ、荘園を発展させる。せっかく孝謙天皇に取り入っていたのに、後から来た道鏡に孝謙天皇を取られてしまい、謀反人扱いされた結果、没。

平清盛

平家安泰のために、自分の娘徳子を高倉天皇に嫁がせる。
娘徳子17歳、高倉天皇11歳。平清盛54歳。
実際に徳子は次の天皇を生むが、清盛は最終的に熱病で死亡。後に源氏が世を取ることになる。

源頼朝×源義経

義経が天皇家から位をもらったことにより、頼朝の方向性にそぐわないと義経を討伐。
本来なら褒めてやりたいところを自分のポリシーに合わないという理由から義経と対峙。義経は兄を思ってのことだったが結果的に裏目に出てしまう。

織田信長

とにかく今の状態が気に入らないということで、草履を靴に、靴に合う衣装としてマントを身にまとい洋装化。兜が蒸れるので頭のてっぺんを剃るというお触れを出す。

明智光秀

何のために生まれてきたのかわからないと、このパートでは不詳の存在。

弥助

織田信長の家来として仕えさせられるが、人間扱いされなかった。明智が織田を討った時に弥助も同様に殺されかかるも「人間ではない、動物だから許してやれ」と明智に言われ、命を奪われることはなかった。

徳川家重

9代将軍だが、コミュニケーションが得意ではなく引きこもりがち。
自分には将軍なんて向いてないと、自分自身でも良く理解している。劇中では会話するときに笛を吹いて家来に伝える。

シドッチ×新井白石

日本にキリスト教布教のために、新井白石に謁見。
白石からゼウスが全知全能の神なら、なぜ争いのある世界を正せないのだと尋問される。それに答えきれないシドッチは布教以外にも文化を伝えに来たと、表打ちではなく裏打ちというものがあると、シンコペーションを白石に伝える。

相楽総三

西郷隆盛の配下で江戸統幕運動に加わる。仲間を集める際に勝ったら農民の年貢を半分にするという約束を西郷と取り交わしたものの、実際に進軍したときに他の軍勢よりも早く到着しそうになり、都合の悪くなった西郷が偽官軍だと称して、相楽を打ち首に。

田代栄助

明治維新のさなか、弱い物を助けていたので平時から慕われていたが、ある時生活困窮がひどい世の中をなんとかすべく蜂起。だが、5日間で仲間がばらばらとなり、世直しができずに終わる。

日本の歴史 演者詳細

何人もの演じ分けと着替えの早変わりでめまぐるしく入れ替わります。誰が何をしたかのメモです。

藤原仲麻呂、孝謙天皇、道鏡 新納/中井/香取
平清盛、徳子、高倉天皇 宮澤/瀬戸/新納
源頼朝、源義経 中井/香取
織田信長、商人 シルビア/新納
明智光秀 瀬戸
弥助 秋元
徳川家重 新納
シドッチ、新井白石 瀬戸/中井
相楽総三、西郷隆盛、岩倉具視 香取/シルビア/瀬戸
田代栄助 中井

ジョセフ、ホルヘイ、財団の窓口/中井
オブライエン、ノエル、ジュニア、サンチェス/瀬戸
トーニョ、ハットフィールド/香取
先生、トーニョの秘書/秋元
カール、先生/新納
パット/宮澤
パットの母、新聞記者/シルビア

上記は覚えている限りなので、見落としているところがあるかもしれません。また役名が不明な個所は一般名詞で表現しています。

 

日本の歴史 感想(主にメモ)

正直、これを感想にまとめると、シュミット一家の話と日本の歴史のパートが交互に来るので、うまくまとめるというのがとても難しいです。
あくまでも感想として残したい部分の切り取りになります。(ほぼ瀬戸くんに関すること)
感想のようなメモです。

シュミット一家のパート

瀬戸くんが演じているオブライエンがもふもふ。肌がつやつやなので、あまり高齢に見えないのだけれど、声と振る舞いの恰幅の良さで、そういう年齢に見える。
あっかんべーがかわいい。

オブライエンとジョセフ、トーニョの歌で、ジョセフが歌わないのに、オブライエンが入ってきて!と指示をする姿が素敵。

瀬戸くんが演じるノエル(オブライエンの息子)がパットの母親に認められる瞬間「まさか!ええ!」と顔が切り替わるのがよかった。

野兎の手袋のにおいをかいで、「おぇー」ってなる瀬戸くんが面白い。

トーニョのふにょふにょした声がなんともかわいらしい。

ノエルはまじめ、ジョセフはまじめながらも兄のやることに納得がいかない、トーニョは兄たちが幸せならそれでいいと波風立てないという雰囲気の違いの出方がある。

ノエルとパットの結婚後生まれたジュニア(ノエル)が人形で登場するが、1回目は目を開けた状態で、2回目は目を閉じてる状態で瀬戸くんの写真が使われている。

ジョセフがサンチェスに刺されるところで、名前をゴンザレスと呼び続け、俺がゴンザレスと言ったらゴンザレスなんだとサンチェスを転ばせるんだけど、名前って大事なんだと思わされるシーン。
これで、トーニョがサンチェスに逃げて、サンチェス!って呼びかけるのが、また。
トーニョはトーニョでジョセフを助けることもなくそのまま消えちゃうんだけど、ジョセフがトーニョと呼ぶ中で、俺の母さんがつけた名前はアントーニオだと言っているので、名前とはアイデンティティなんだろうなと思わされる場面。

トーニョのもにょもにょしたしゃべり方と、自分は控えだという一歩後ろに引いている動きがよかったんだけど、エンターテイナーとして成功した後では、ものすごい強い口調と声も変わってて、役に合わせて印象が変わっている。

これと同じで、ジョセフも小作人時代のときは、比較的やさしい雰囲気だったのが、成金になった後のすごみがすごい。

シルビアさんが演じる新聞記者のコミカルな動きとうさん臭さが味わい深い。

ジュニアの鼻笛が、いくつもいくつも出てくるので笑わせられた。
配信で見ていたときに、休憩中の幕間の楽屋で出演者が通りかかって声をかけられたときに、瀬戸くんは手に鼻笛を重ね持ち。
あれが、いくつもズボンのポケットのあちこちに入れられていて、パットに取り上げられる度に、また出てくるという執念深さはジュニアの音楽好きとこだわりを表していると思う。

舌足らずなジュニアが祖母に鼻笛で奏でている曲について尋ねられると、「僕の一番好きなもの」と答え、それが何かと聞かれると、「お母さん」と耳打ちする動きのなんとかわいいことか。

パットが必死に勉強させようとしても、「この位置にいて」「この場所が一番響くんだ」とパットと距離を取り、鼻笛を演奏し、パットも母親からその曲の題名がパットのことだと伝えられると、ようやくパットがジュニアのことを理解し、彼を抱きしめるシーンは、もうこのまま瀬戸康史を生みたいって思ってしまった。

ジュニアが勉強させられているのにぼーっとする仕草をあえて鼻を指でほじるように見せたのは、おバカっぽく見せるのには効果的。

トーニョがショービジネスで成功した後で、ジュニアもこちらへと呼ぶときに、ジュニアが後ろでひたすらクリームソーダを飲んでいるというのは、かわいいが満載。

にもかかわらず、ラスト間際に第二次世界大戦で日本兵と向き合うシーンで、なんとか音楽で敵ではないということをシンコペーションを使って教えようとして、ようやくそれが理解されたと思い、鼻笛を取り出して吹き始めた瞬間、日本兵が唐突に撃ってしまいそこでジュニアの人生が終わってしまう。

このとき、若干中腰加減のジュニアが撃たれた瞬間にそのまま後ろに倒れるんだけど、あまりにもきれいに倒れるので、瀬戸くんて倒れる芸術品かと思いました。
サンチェスのときの転ばされ方といい、ジュニアのときの倒れ方といい、やられるの上手ですね。

日本の歴史出演者の感想

シルビアさんの歌う歌が、とにかく迫力絶大。
高いところは高々と歌い上げ、響きをきかせるところではこれもでかとグルービー。

宮澤さんはパットを年齢を経て演じているときに、若いときは高く、年齢が上になると低くと、見た目の雰囲気でも表情からして印象が違うのだけど、声でもとにかく今これくらいの年齢だという演じ分け。

中井さんは、孝謙天皇のキャピキャピしてた感じから、田代栄助の渡世人のどすのきいた演技まで、本当に一人でやっているんですか?という印象。

香取くんは、トーニョが控えめなところでは声がうにょっとしているのに、源義経の迫力や道教の豪快さなどが際立っていて、これまた何役も演じ分けられているのがすごい。
とくにハットフィールドのおじさんくささは板についていたと思う。

新納さんは、本当に舞台映えしますね。スタイルがよくて足長くてダンスが上手!!
かと思えば、お茶の水博士のようなよぼよぼのスタイルで出てきて、新納さんだとはわからないっていうのが、あの新納さんですか?になる。
特に、織田信長のときにシルビアさんとダンスするのは圧巻でした。シルビアさんのマントを持ちながらのダンス、うまく回転させることで、マントのきらびやかな部分が映えるうえに、ダンスとの相乗効果でとてもかっこよく見えました。
カールのときは、何かとヨーヨーを使っていましたが、ヨーヨーが上手で、あの小道具が何の意味を持たされているのか不明ですが、ヨーヨー上手だな!って目がそちらに行きます。

同じよぼよぼ加減でいえば、中井さんもよぼよぼしててい、これまたすごいガタガタする演技なので、体に効果線が描かれているんじゃないかというくらい、効果線が見えました。

秋元さんは、歌のときの声の伸びやかさと、まるで昭和の歌姫かのような歌声で、とても安定していました。
それなのに、弥助ではとてもしなやかな体でスローモーションを表現されていて、スローモーションなににインパラのような動きでとても躍動的でした。

瀬戸くんは、思い入れがたくさんあるので長くなりそうですが、先にも書いたように、オブライエン、ノエル、ジュニア、と祖父、父、孫の雰囲気が全部違うという家系図を見事に演じ切っていたと思います。
したたかな祖父、まじめな父、おっとりした孫という3人を一人でやっていると感じさせないのがすごいです。そして最後にカールの息子エドワードを影のように演じていたのも印象的。カールが得意なヨーヨーをうまく使って表現していました。
平清盛パートの徳子はかわいいです。あの笑顔は海月姫の蔵子のよう。

所々に含まれるギミック的なものについて

シンコペーションのシドッチがジュニアとリンク。
新井白石の裏打ちが手のひらを下にするところと、新井二等兵の裏打ちも同様に手のひらが下。(裏打ちの手が同じであるところと、役名が新井)

オブライエンがジョセフに入ってきてと歌を指図するところで、ノエルがジョセフに入ってこさせようと寄るところと、シドッチのシンコペーションのときにも新井白石に裏打ちに入って!というところ。(これは、全部瀬戸くんが中井さんに入ってきてという指示を出しているので、違うシーンに対して演者が同じという関係性)

シュミット家の母の歌う歌が、場面によって26年前に51年前に86年前にとその年代に応じてちゃんと入れ替えられている。

さらっというので素通りしてしまうのだけれど、カールの子供の名前がエドワードになっているのは、自分の父の名前。

気づいたのはそれくらいですが、ほかにも注意していればまだ何かあるかも。

 

歌についての感想

ミュージカルなので、歌が多いのは当たり前ですが、繰り返しの歌が印象的。

オブライエンの「なんとかなると思ってりゃ、なんとかなるもんだ」は3人のハーモニーなんですが、オブライエンで歌うときのノエルで歌うときの声が違うのもまた印象的。最後にはトーニョがこれを歌うのだけど、ここまた懐かしさと感動を覚えます。

何とかなるの歌に関しては、パットが歌うシュミット家の歌とも重ねられて、不思議な重なりを見せてくれます。

ある歌と別の歌の重ね合わせは、他にもあって、ジュニアの奏でるぼくの一番すきなものと祖母が歌うシュミット家の歌ともハーモニーを。

同じくハーモニーについては、ラストシーンで演者がその前までに演じていた役柄が持つテーマ曲をそれぞれで歌っているのだけど、全部が層になって重なり、これを聞き分けるの大変だろうな~と思うのですが、どこのパートもずれることなく一つにまとまっていました。

メインテーマとなる、「因果」に関しては、「INGAー因果」と繰り返されるフレーズがひたすら残り、踊りも覚えたくなるほど。

明智光秀のパートのあけちっちは今回新加入の瀬戸くんのために新しく作られた曲で、瀬戸くんの音域に合わせたものだそうですが、どうりでよく響くと思いました。

感想そのものが多すぎてまとまらないのですが、ジュニアが倒れるあたりから、命のはかなさや人生の彩り、それぞれの生き様の重なりにより最後は涙が止まりませんでした。

 

シュミット一家の物語に日本の歴史の登場人物が徐々に食い込んでくる仕組みも、この舞台の見どころだと思います。

 

コメント