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保育業界の未経験中途採用は人材育成の構築が必要

保育

無資格で保育補助として働き、その後試験に合格し保育士となりました。

社会人からの出発をした私の経験から、保育に関する人材の育て方について感じたことをまとめたいと思います。

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わからないことを質問しても自分で考えるようにと言われる

勤務していた保育園は200人規模の大きなところでした。
正規職員、非正規職員どちらもいて、非正規職員でもベテランの人は担任をしていました。

配置されたクラスでは、私は主にクラス全体の雑用がメインでした。

子どもの活動も、私の仕事のほとんどが準備などです。

子どもの気持ちが向かないときに、向いてもらうにはどうしたらいいのか、私は毎日悩んでいました。

ベテランでも子どもとの関わりで悩む人もいるかもしれません。
担任ではないクラスの雑用で、さらに新人ならさらにです。

その悩みは、子どもが違えば話し方や関わり方も変わるので、この前うまく解決できた方法が、次も同じとは限りません。

それでも問題は放置せず、より一層子どもが快適に過ごせるように楽しく生活できるようにしたかったので、同じクラスの先生に解決方法を聞いたりしていました。

聞く人が固定できない、担当が異なると聞きにくいなど、なかなか解決しづらいこともよくありました。

私が聞いても困った答えは、「自分でいろいろ試さないとわからないよ」です。

ある程度解決方法に引き出しがあれは、話は別です。

また、相応の時間がもらえるなら私はあれこれ考えて試すこともできたかもしれません。

ですが、相応の時間は保育中には取れません。時間刻みで活動が進み、一人の子どもにつきっきりで対応するというのが、結構難しかったためです。

そのため自分で解決したくても、子どもが納得する形で話を展開することができないことが多々ありました。
そうやって積み重ねていくと、自分のスキルが上がったのかと考えるとそうではありません。また子どもとの信頼関係を築くのもできていなかったと感じます。

ベテランの先生が対応するとうまく行くことが多かった

私のスキル不足の根拠が全くわからないまま、日々の保育は進んでいきます。

ある時、子どもが遊びの輪に入れずにいたので、入れるようにリーダーの先生から促されたことがありました。

その子はあまり遊びが得意ではないタイプです。
お友達とどうしていいのかわからないのかもと思ったので、私が一緒にやろうと提案してみたのですが、それでも応じてくれませんでした。

そこでリーダーの先生が近くにいた子の手を引いて、一緒にやろうねと誘ったら、嫌がっていた子もすんなり手をつないでいました。

たった、これだけのことなのですが、私はショックでした。
友達と遊びたくないから輪に入らないのに、どうして近くにいた子と手をつなぐようにしたのか。

子どもの気分かもしれません。
たまたま手を引いた友達が好きだったのかもしれません。

友達との輪に入れないからサポートしようとしたけれど、最終的には友達との輪になぜ入ったのか。
二重に心を挫かれました。

保育に関する仕事の流れがよくわからないのに説明がほとんどない

保育する人間を専門性のある人間として育てるというのは何だろうと、毎日仕事をしながら悩んでいました。

一般企業であれば、教える人がいるはずで、ある程度の仕事ができるようになるまで指導、アドバイス、注意など様々に対応してくれます。

私も保育の仕事の前にやっていた仕事では、仕事の前の教育は普通にあり、ある程度のレベルになるまでに様々なアドバイスをもらっていました。また、自分が教育する立場になっても、まだまだ不明なところは上司に相談して解決していたりしました。

ですが、保育の世界は違うのでしょうか。

社会人経験があっても、全くの新人に教育する体制がないのか、教えてもらったのは掃除の仕方などの雑務がメインです。

子どもへの対応で最低限聞いていたことは、

  • 必ず子ども優先にすること
  • 場を離れるときは、ひと声かけること
  • 全体を見て、決して死角ができないようにすること

くらいでした。

子ども優先というのは、どんなことにおいても子ども優先となるので、例えば食事後にトイレに行くために保育士がついていくときも、食事の食器を片付けることよりも、食器はその時点で雑用を担当している人に任せてしまって、子どものフォローをすることです。

その子ども優先という話ですら、仕事を始めてから少し経って言われたことです。しかも私が動かないことに対して注意されたのですが、自分が雑用だと思っていたのに片付けをしていたら、他の先生から子どもについていかないとだめだと言われたのがきっかけです。(この時、さらに全体を見てくれている人が対応できたので、そう指摘されたようですが)

仕事を始めたばかりで全くわからないのに説明もほぼない状態で、どうやって察したらいいのか、私にはわかりませんでした。

阿吽の呼吸ができないと保育の仕事ができない

ベテランの先生は流れがわかっているからこそ、できることだと思います。

リーダーの先生が子どもの活動の先頭を取り、サブの先生が後ろからついてきてそれをフォローしていく。

これが保育の流れの基本のようですが、フォローの仕方によってはリーダーの先生が流れを作りづらいとか、足りないとかいうことがあるようです。

そのさじ加減が難しく、ベストではないけれどベターなフォローの仕方が私にはわかりませんでした。

それも説明されたわけではありません。
同じクラスの先生を動きを見て、流れているなと感じ、私自身が流れるような対応ができていないと感じたからです。

まさしく、「空気読め!」という世界そのままです。

保育の仕事を難しくしている原因は何か

一般企業に勤めていた感覚からすると、保育の仕事で行うPDCAは勤務時間中に行うのは至難の業だと感じました。

勤務時間中に保育の計画を立てる時間は確保できても午睡中です。個別に取る場合は持ち帰るか、持ち帰れない場合のみ、保育室内で作業が許されます。

そういった状況のため、保育者としての人材を育てることもあまり重要度が高くないのか、雑用以外で保育に関することは、抽象的な話でしか教えてもらったことがありませんでした。

未経験国試組という条件の悪さ

保育士はだいたいが専門の学校を卒業しています。
専門学校であれば最低でも2年間は専門知識を学び、体系的に理解しています。
国家試験でも保育士にはなれますが、学校で学ぶことと違って、保育の現場に生かせる知識を持っているかというと、残念ながら足りているとは言い切れないと思っています。

学校でも試験でも同じだよという人もいるかもしれません。
それならば、なおのこと新人を育てる土壌が必要になってくると思います。

私が勤めていた園では新卒採用の先生が春休み中に見習いとして入ってきていましたが、採用後3カ月くらいで、だいたいのことがつかめてきたのか、先生らしくなっていたのを見て、私と何が違うんだろうと悩んだことがあります。

それは、新卒だから育てようという組織の力が働いたのか、学校で体系的に学んだことが生かせるようになったのかは判断できません。

もしも新卒だから育てようという組織の力が働いていたのであれば、それ以外で入ってきた未経験の人間にもある程度の教育をしてほしかったと思います。

保育が人間を育てるのであれば、その仕事についている人間も育てる枠組みが必要だと思います。

私はこれ以上は続けられないと思ったため、保育の仕事から離れてしまいましたが、もしも人材を育てる余裕のない組織であるならば、保育の仕事に関わりたいと思って就職してくる未経験社会人にとっては不幸にしかなりません。

保育も人材を育てる仕組みを確立してほしい

子どもの年間計画はあるのに、人材を育てる計画はあるのかというのが私の最大の疑問です。
園によっては、きちんと整備されているところもあると思います。

残念ながら、私はその経験がないため、勤めていた園では人材を育てる仕組みが確立されていなかったという評価にしかなりません。

子どもという扱いの難しい年齢に対峙できる専門職なのに、社会人の大人を育成できる力がないというのは非常に残念です。

人材育成をできない理由は、業務時間内に丁寧に説明するだけのバッファがないことだと考えます。
子どもは生き物です。時にどんな動きをするかわからない。
例え説明していたところで、子どもが入ってきたら中断することもよくあります。
そういった環境の中で、手取り足取りとまで行きませんが、人材を育てるだけの時間の余裕すらないのだと思います。

改善するには、保育士配置の数を増やして対応するか、人材の教育期間と教育方法を考えるなどが考えられます。

保育士不足だと言われていますが、賃金の問題だけでなく保育士として仕事ができる人間を育てられるようにならないと、不足を補うことはできないのではないでしょうか。

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